『 タイのおまわりさん 』
このところ、なんか、『タイの…』ってタイトルが続くね。
しばらくこれで行こうかな? ってことになると、『タイのおまわりさん』だね。
って、別に『タイのドロボー』でも良かったんだけど…。
で、いろんな愛すべきおまわりさんを思い出すんだけどねー。
まずは、あの(知らないって!)屋台のおまわりさんかなー。
PRADIPHAT通りの、通りと同じ名のホテルに長逗留してた時のことなんだけど。
往復4車線ほどの道路を挟んでホテルのまん前に、いつも4,5軒の屋台が出てたんだ。
こういう時ってのは、ご飯もの・麺類・水もの・お菓子屋さんというように、うまくバランスの取れた一かたまりになるものなんだけど、その中の1軒に……あれはなんと言うのかなぁ? 食パンを2センチ角くらいに切ったものを蒸かしてね、それをバーイトゥーイって緑色の葉っぱで染めたクリーム(日本のクリームパンの)に付けて食べるんだけど…。
美味しいんだ、これが! 屋台のケースの中には切った食パンが入っていて、それを目の前で蒸かしてくれてね、お皿にどっさり盛ったクリームと共に出してくれる…。
甘党でなくても、これはタマランよー。
で、おいら、毎日、通ってた。夕方、7時くらいに開くんだけどね。
元々軽めのノリのいいニイチャンでね、2日目くらいからなんだかんだと話してたんだけど、ある夜おいらが、ふと「こういう人たちって昼間は何してるんだろう…ずっと昼寝してるんだろーか?」なんて考えてね、聞いてみたの。
だったら、なんだか急に誇らしげな笑みを浮かべて、着ていたTシャツをつまんで胸をそらせる訳さ。
Tシャツは白で、胸に地味〜な青で、なんかクルット(ガルーダ=金鵄鳥?)みたいなマークが描いてあるんだけど…。
「それってなんなの?」って聞くと、一段と胸をそらせて「タムルアッ(ト)!」。
「えー!? 昼間おまわりさんなの?」
「そうさ!」
そして、眉をピクピク動かして見せ、目配せまでする。
見ると、制服を着たまま50年配の警察のエライさん然とした人が、隅っこのテーブルで『蒸しパン緑クリーム付き』を黙々と食ってるのが見えた。
「あれはボクの上司さ」
と、また眉をピクピク。
改めて見てみると、デッカイ体で、いかめしそうな顔をした、しかも肩にいっぱい金ぴかの肩章を付けた制服のエライさんが、小ちゃな爪楊枝をチョコチョコ動かして甘い物を口に運んでるんだ。
なんか、可愛くってね!
しかもこのエライさん、食べ終わるとキチンとお金を払っていくんだ。
あ、当たり前か?
なんか、「頑張れ」でもなく、「目こぼししてやってんだからな」でもなく、ごくフツーの客として来て、帰っていった…。
聞いてみると、別に兼業禁止規定なんてものはなくて、大抵の者がアルバイトをやってるんだって。
職種はクエッッティオ(米粉の麺)屋とかの飲食店(若い内は屋台)、雑貨屋、タクシー運転手、ガードマンなどで、お店関係は家族でというのも多いそうだ。
そう言えば、前に住んでた近くに、GOGOバーの女の子を何人も下宿させてる食堂ってのがあって、ここのご主人もタムルアッ(ト)だって言ってたなぁ…。
あ、話しそれたんだけど、この屋台のニイチャンに言わせると、堂々とバイトをしてる奴の方が信頼されるのだそうだ。
兼業してる訳じゃないのに、羽振りが良かったり、チャンと子供を学校(お金のかかる)に通わせたりしてる者の方が、「なんか、ウサン臭い」んだそうだ。
あ、また長くなりそうなんで、以下かいつまんで!
あ、その前に、おまわりさんの賃金についても言っておこうかな。
26歳と言っていた彼の場合、あの当時(8年前)で6000バーツほどと言っていたから、物価変動を考えて、今だと8000バーツくらいでしょう。
で、バイトの方は「その1.5倍ほどの利益」だって言ってたから−−−
26歳で、妻子あり。それぞれ一人ずつ(!)。月収=6万円。
ってことは、いい方でしょうね。
ま、悪いことしないおまわりさんは睡眠不足ぎみだけど…。
あと、おまわりさんと言えば……
〔スラウオン通りで発車間際のタクシーを停めたおまわりさん〕
PATPONGで遊んでて、帰ろうってんで停めた流しのタクシーなんだけど、動き出した途端にサッと運転席の前に手が出て、停められたのね。
停車禁止のところで客を乗せたってことらしい…。
運転手クンは、「あ、痛っ」って感じで舌打ちしたけど、おまわりさん「免許証」ってのに、彼は100バーツ札をポロシャツの胸ポケットから出して、サッと免許証に挟み込み(タイの免許証はなんか折り畳むようになってる)、おもむろに窓外に出した。
その時、おまわりさんは、チラとおいらを見たんだよね!
あああー、これがいけなかった!(多分…)
おまわりさんは、そのまま免許証を返し、反則切符を切った。
あとで運転手クンのぼやくことぼやくこと!
あああー、あの時おいらが興味津々で見てさえいなければ…。明後日の方を何食わぬ顔で見ていたら…。運転手クンは…助かったのだろうか……。
〔GOGOバーの用心棒をしていた(?)おまわりさん〕
1階のドアを開けるといきなり2階への階段があってさ、2階では花電車とか見せてるGOGOバーがあるよね。
ある時、「そんな所あるんだったら、見たいー!」ってヒトを連れて、そんなバーのドアを開けたと思い給え。
そうしたら、なんと! 狭い階段下のスペースに小さなテーブルと椅子を置いて、二人ものおまわりさんが(勿論制服で)、ウィスキーを飲んでいた。
おいら達が入っても、なんの悪びれる風もなく、ニコニコ笑って、目顔で「2階は面白いよー」って言っていた。
〔微笑みの国ではおまわりさんも笑うのか?〕
いつか書いた北の町、PHRAEでのことだ。
村長の息子のバイクを、借りっぱなしにしてた話は書いたっけ?
そのバイクで町に出た時のことだ。
町唯一の交叉点で検問をやっていた。4方向全てに3,4人づつの人員を配して、物々しいので、物見高いおいらはワクワクして交叉点に進入して行った訳だが……
捕まったのは…おいらだった。
なんと!「ノーヘル」だと!
おいら、言っちゃなんだが、タイじゃ20年来バイクに乗ってるが、メットなんか一度たりともかぶったことはないぜー!
……って、いくら粋がっても、おまわりさんはもう嬉しそうにニコニコ微笑みの国してくれて……おいらはキッチリ、現金で500バーツの罰金を取られたさ。
参考:ちょうどこの頃(1995年)から、俄かに交通法規はうるさくなった。
法規を新規に作ったのではなく、運用を厳しく、ってゆーかー書いてある通
りに運用しだしたのである。
しかし、この運用者は気紛れで忘れっぽい…とも…。
〔両替のために家族を放っておいて付き合ってくれたおまわりさん〕
まだタイ・ビギナーだった頃の話しだけど…。
PATPONGの近く(今日はなんかPATPONGが多いな)のROBINSONデパートの1階にあったマクドナルドでのこと。時刻は夜の10時ごろ…。
おいらは現金がなくて困っていた…。デパートなら夜でも…って聞いていたのだけど、ROBINSONはおろか近辺を歩き回ったのだが、この時間、T/Cを両替してくれる(正しくは買ってくれる)所はなかったのだ。
困り果てたおいらは、こうなったら寸借サギでも…とは思わなかったが、誰か優しそうな人を見付けて、マック代と帰りのタクシー代を借りなければ…と周りを見回した。
と、ちょうど隣りに優しそうなお父さんとお母さん、6歳と10歳くらいの二人の子供というファミリーがいた。
まだタイ語の出来ないおいらは、つたない英語で「この辺にT/Cを両替できる所はないでしょうか?」と聞いた。ないことは分かっていたが、これ以外の英語が出来なかったのだ。
お父さんは子供達に「困った外国人がいるから助けてくる。ちょっと待ってなさい」と言って、席を立ち、おいらを促した。
で、「確かここに…あれ、今日は閉まってるなぁ…」ってことを数ヶ所繰り返し、遂にマックに戻って、「その1万円は、この前両替した時何バーツでしたか?」と聞いてきた。そして、なんと、ゴソゴソと札入れを取り出してその金額をおいらに呉れたのだ。
勿論、T/Cは渡して来た訳だけど、あのT/Cって、まだ彼の手元にある筈…。
だって、サインだってしてないし…。どう考えたって、あれを現金にする方法が考えられない……おいら、もう20年以上前のことだけど、いまだに時々ベッドの中で思い出し…ザンゲしてる。
で、そのお父さんなんだけど、おいらが恐縮して「ありがとう、ありがとう」って言ってる前を「いい旅を」って言って帰って行ったんだけど、出口に近い所で、警邏中のおまわりさん2人が、パッと会うなり、敬礼したんだよ! お父さんに!
まぁ、そんな感じで、おいらが今まで関わったタイのおまわりさんって、なんか、可愛かったり、マヌケだったり、ステキだったりばっかなんだよねー。
日本のおまわりさんも、ガンバッテ欲しいねー。
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